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四言で綴る斜な日記。毎日更新する予定でした。
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 ここで冒頭に戻るわけ。
 教室内の様子も見てやろうと窓から覗いてみたのがいけなかった。おかげで、やれ触らせろ、やれ飛んでみろ、やれ壁通過してみろなどとセクハラとも取れる命令があちこちから飛んできたので、キリの良い所で逃げたわけだ。
ぶらぶらするのも何だな……昼寝をいそしむことにするか。朝だけど。
 そう思って青い空へ飛ぼうとしている時だった。
「先生! まさかそんな面倒臭い解法を使うんですか? 因数分解を教えてくださったでしょう!? 応用も出来ないんですか!」
 チッ。言わなくてもいい事を。
「公式にはめなければ出来ないんですか!? 教科書に書いてある事をなぞっているだけでしょう! あなたはそれでも教師ですか!」
 三年ほど前から常々胸中にあった言葉だ。言う必要もない。卒業するまで――後数ヶ月我慢していれば良かったのに。確かにあの教師はクズ教師。すぐに癇癪を起こすくせに、ろくな教え方をしない。が、だからといって火を付ける事もなかっただろうに。
「じゃあお前が教えてみろ。ほら、前に来て教鞭を執ってみるがいい」
 全く陰湿な……だが、首を絞めるだけだったな。
 数学は私の十八番。クソ教師の授業の後で友達によく教えていた。やはり黒板の前でも『私』はいい感じで熱弁をふるう。あーあ。これで……
「昼休みに職員室へ来い」
 宣告だよ。内申が落ちる……
 『私』は親の仇を見つけたかのように先生を睨み付ける。教壇の上では激しい視線の鍔迫り合いが繰り広げられている。これ以上怒らすな。止めておけ。
「何か気に障りましたか?」
 教室の中では静寂が打ち寄せている。ひっそりとしたその声すら室内に響く。
「授業態度に響くぞ。いい加減に止めておきなさい」
 それは同意だが。
「分かりました。先生」
 皮肉っぽく言いのけた『私』だった。その顔はどこか誇らしげ。
 私が一度やってみたかったことを見事に成し遂げてしまった。いつも計画倒れだった、あの行為。今までの私はそれを実行する勇気がなかったのだ。
 彼女は、私だ。それでいて、私ではない。
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